おうちを建てる前の段階で、「太陽光パネルの売電収入があれば、住宅ローン返済を助けてくれる!」なんて思っている方はいませんか?
住宅メーカーによっては、営業マンが
…なんて言うこともあります。
↑これ、考え方としては、かなり危ないですよ。
「実質の」という表現は万能で、すごく誤解されやすい言葉です。
「実質」という表現の罠。住宅ローン返済で、毎月お財布から出ていく額は一定に変わりない
- 月々返済額8万円
- 売電収入1万円(年間の平均)
↑こんな条件でおうちを建てたとします。
この場合、住宅ローン返済が月々7万円で済む…と思ってしまうのがマズイんです。
でも売電収入は、ずっとじゃないですよね…?
そう、ずっとじゃないんです…。
2019年現在
- 余剰買取…10年間
- 全量買取…20年間
売電開始から、以上の期間だけ固定単価で買取してくれるという決まりがあります。
金利や返済額を確認したいなら
そもそも、住宅ローンと太陽光の売電収入は、年数の開きがあって、土俵が違いすぎる
住宅ローンは長期で考えますよね。
自己資金がたくさんある方は問題ありませんが、ほとんどの方は20年以上35年ぐらいで住宅ローンを返済していくはずです。
それに対して、太陽光の売電は、10kWh以上載せた全量買取の人でも20年です。それ以降の金額はわかりません。
余剰買取であれば、早くも10年後にはどうなるかわからないわけです。
結局、太陽光の売電収入はたった10年でアテにできなくなります…
子供が大きくなればなるほど、お金がかかる
家を建てるタイミングって様々だと思いますが、中でも多いのは「子供が小学生になる前」あたりではないでしょうか?
とすると、6歳の子がいるとして、10年後は16歳。
そんなときに太陽光パネルの収入が大したことなくなってしまって、アテにしてたら大変です。
太陽光パネルは経年劣化があるもの…10年後の発電効率は70~80%ほどに落ち込む可能性が高い
太陽光パネルは電化製品です。しかも野ざらしの。
どうがんばっても(がんばりようはないけど)、新築時の発電効率を10年後にも保つのは難しいです。
とすると、売電収入を得るどころか、メンテナンスコストが重なる可能性さえ出てきます。
一方で、住宅ローンの返済は、劣化することはありません。
途中で繰上げ返済でもしない限り、完済までずっと一定額です。
「みんな載せてるし〜」は要注意!太陽光パネルを載せるなら、自己資金がある場合だけの方が無難
わが家はパナソニック ホームズでおうちを建てて、約6kWhちょっとの太陽光パネルを載せています。
しかし、200万円がもし手元になくて、住宅ローンでまかなうとしたらちょっと考えますね。
ココに注目
仮に200万円を、35年返済1%で借りたとしたら、返済総額は約240万円です。
住宅ローンの借り入れの金利分、太陽光の売電収入で取り返せますかね?
…そう考えると、住宅ローンの返済を、太陽光発電の売電収入に助けてもらうという考え方は、ちょっとキビシイなと思います。
太陽光パネルを載せること自体は、けっして悪いことではありません。
むしろ、「災害に備える」「月々の電気代の足しにする」という考えであれば、太陽光を導入した方がいいと思います。
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