実はハウスメーカー選びで最初に候補に上がっていた「一条工務店」。
寒冷地に住んでいると、どうしても暖房対策が気になります。
普通のエアコンなどの温風だと、どうしても天井の方に温もりが逃げてしまうので、足から暖かい床暖房は超魅力的ですよね。
他のハウスメーカーや工務店で床暖房を入れるとなると、「8畳で40万円」など、面積に応じて値段が決まっており、予算の関係でどう考えても全室床暖房にはなりません。
一条工務店で魅力的に感じたこと
- 全室床暖房が標準装備であること
- 気密性・断熱性が高いこと
- 外壁タイル貼りができる
- 一条工務店オリジナルの住設の取り扱いが幅広いこと
- 一律の料金設定が明瞭でわかりやすい
- 一条工務店ブロガーやインスタグラマーが多く、ネットから情報を得やすい
何と言っても、一条工務店は「性能」を重視して選ぶ方が多いのではないでしょうか。
しかも床暖房をはじめ、キッチンやお風呂、窓まで自社で生産しているので、仕入れの分がないことでコスパがいいというのも納得できます。
しかもインターネットをのぞけば、アメブロにもインスタにもたくさんの一条ブロガーさんがいて、情報が入りやすいのもメリットの1つですよね。
だけど我が家では一条工務店を選びませんでした。その理由をまとめます。
ポイント
一条工務店で検討していたのは、「i-smart(アイスマート)」という商品です。
おうちでたった3分
- 見積額が妥当かわからない…
- ハウスメーカーからいい間取り提案が出てこない…
後悔のないおうちを建てるには、複数メーカーで比較検討することが大切です。
一条工務店の全館床暖房システムはヒートポンプ式。壊れた時が不安…
超快適と思われる一条工務店の床暖房は、温水を通して温めるヒートポンプ式です。
まぁ、新築から10年ほどは壊れる心配などないでしょう。(特に根拠はありません)
住宅ローンの支払いを25年以上35年ぐらいと考えると、25年後には床暖房は壊れずにがんばってくれていますかね?
もちろん、一条工務店にはメンテナンス部門が存在するとのことなので、何かあったら相談すれば良いのですが。
万が一にも温水を通すヒートポンプに何かあったら、床を全部剥ぐしかないですよね。
エアコンのように機械だけ入れ替えて「はい、終了!」という簡単な話ではありません。
床暖房があると、室温で食材を置いておけない
床暖房ってとても魅力的なんですが、床に直置きした野菜などはすぐに腐るとよく聞きます。
実際には、食材のほとんどを冷蔵庫にしまうので問題はないのですが、
- キッチンカップボードの中の保存食
- お米
- 梅干しや梅酒などの漬物類
- 食べ残しの鍋類
など、常温保存したい食品の管理が難しくなるかなぁと思います。
全館床暖房の電気代をまかなうため?なのか、一条のアイスマートでは屋根に大量のソーラーパネルをのせたがる
新築住宅に一般的になっている太陽光発電用のソーラーパネルの設置。
もちろん、うちのパナソニック ホームズでもソーラーパネルをのせています。
ただ、一条工務店のおうちの屋根を見てみるとわかるんですが、他のメーカーよりたくさんのソーラーがのっています。
一条工務店ではこのソーラーを、「夢発電システム」と呼んでいますが、カーポートの上にまで設置することが可能だそうです。(もちろんオプション)
「初期投資0円で設置可能」
システムの搭載費用を、お客さまの代わりに弊社提携金融機関がご融資します。お客様は実際に発電によって得られたメリットで分割でお支払いいただけます。
一条工務店のカタログより引用
つまりたくさんのソーラーパネルをのせる場合には、住宅ローンとは別のローンを組めるってわけです。
自己資金で10Kw以上のソーラーパネルをのせるとなると、400万円近くの費用が発生します。
すごく旨味を感じますが結局のところ、自己資金でソーラーをのせない限り、二重ローンが発生するということ。
近年、ソーラー発電の売電価格も下がる傾向ですし、結構リスクが大きいなと。
この辺は、太陽光パネルをどれほどのせたいかによって変わるので、しっかり営業マンに相談してください。
一条工務店では、だいたい10kwほどのせる人が多いそうですよ。←これ、量としてはめちゃくちゃ多い。
ポイント
一条工務店のソーラーパネルは自社生産になります。
パナソニック ホームズのソーラーパネルはパナソニック製です。(安定のパナ製の方がいいな…)
▼わが家はパナソニック ホームズでソーラーパネルと蓄電池を導入しました
床暖房システムは冬だけ。夏は別にエアコンが必要になる
一条工務店のおうちは、「高断熱・高気密」が売りですから、基本的に窓が少ない(多くても窓が小さめ)です。
とすると、夏の暑さ対策は、窓を開けるというよりも、エアコンなどの空調システムに頼る方が自然な考えです。
ここで、一条工務店の売りである床暖房は、夏はまったく意味がありません。
別にエアコンなどの空調設備を整える必要があります。
床暖房はめちゃくちゃ魅力的ではありますが、冬にしか使えないことを考えるとコスパの点で微妙かなと感じました。
▼わが家はパナソニック ホームズで冷暖房に対応の全館空調を導入しました
一条工務店の外壁パネル、システムキッチンなど水まわり全て自社生産なのが、メリットでもありデメリット
一条工務店の外装や内装で使われる資材は、ほとんどが自社生産です。
アイスマートの外壁パネルなどは、海外(フィリピンなど)で生産しており、船便で日本まで運ばれてきます。
▼パナソニック ホームズは国内生産です
自社生産の設備の主なメリット
- 調達コストが安くて済む
- メンテナンスの時は、全て一条工務店経由で完結するので安心
自社生産の設備の主なデメリット
- デザインなど好みのものがない場合に逃げ道が少ない
- 生産は海外の提携工場などでしている
システムキッチンはタカラスタンダードがいいな、サッシはYKKがいいな、お風呂はTOTOがいいな…なんて夢は叶いません。(実際はできますが、高額なオプションとなります)
「餅は餅や」とよく言いますが、個人的には資材やオプションについては、それぞれの名だたるメーカーの方が安心かなと思うところがあります。
この辺は、一条工務店の展示場に出かけてみて、気にならなければそれでOKですけどね。
▼パナソニックキッチンはとっても使いやすいですよ
一条工務店の外壁のハイドロテクトタイルはすごくイイ!だけど角のコーキングが気になる
一条工務店の外壁は、タイルが使われます。サイディングに比べると、高級感があってイイかなと思います。しかもサイディングより持ちもよく、30年はOKと言われています。
が、よく見ると、角の部分にコーキング(目地)があります。
一般的に、コーキングの寿命は15年。
これを修復するとなると、足場を組んでの工事が必要なので100万円近くの費用がかかることが予想されます。
実際に、うちの実家は外壁の工事をしていましたが、屋根の塗り替えと外壁材の貼り直しで300万円かかっていました。足場を組むだけで50万円程の費用がかかります。
タイル張りは魅力ではあるものの、コーキングの寿命を考えるとメンテナンスコストが心配です。
一条工務店は性能・コスパはいいのかもしれないけど、オプションを足していくと意外とお値段がかかる
一条工務店は、すべてのお客さんに一律の坪単価でおうちを建ててくれます。(一部の提携割引をのぞいて、値引きは一切しないと明言している)
…とは言え、できあがりの坪単価を公表している一条ブロガーさんのお値段を見ると、びっくりするぐらい高いです。
- ベタ基礎
- 網戸
- トイレ(アラウーノにしたい)
- 通常タイルからハイドロテクトタイルに変更
など、意外と基本的な部分もオプションだったりします。(もはやみんなつけるものは、坪単価に入れて標準装備にした方が親切なのでは…)
ここに大容量の太陽光パネルをのせたりすると、結局坪単価80万円超えになってくるので、大手ハウスメーカーと変わらない水準になります。
性能とコスパはいいかもしれませんが、決して安いわけではないという点に注意したいですね。
▼パナソニックホームズの坪単価も参考にしてみてくださいね
順番待ち多数で着工までに時間がかかる…工期も4ヶ月近くかかるので、その間の費用負担が心配
一条工務店では、最近人気すぎるのか(それとも工場火災の影響か)、着工待ちが発生しているようです。
実際に、知人で一条工務店を建てた方がいましたが、私たち家族より半年前に打ち合わせを始めたにも関わらず、引き渡しはうちより遅かったという事実がありました。
この間、着工待ちをしていたそうです。
建て替えの場合は、アパートなどの仮住まいの家賃負担もあるし、引き渡しが遅いのはちょっとなぁ…
ウワサの「一条ルール」がけっこう難しそう…せっかくの注文住宅なのに、自由度はあまり高くない
一条工務店のアイスマートは、「2×6(ツーバイシックス)工法」で、壁で建物を支える造りになっています。
そうすると、思わぬところに壁の配置が必要になる「一条ルール」という制約が出てきます。
しかも一条工務店は、坪単価で本体価格が変わるので、1坪をどう減らすか?という葛藤がすごいらしいです。
- どうにかして廊下を削れないか…
- どうにかしてバルコニーを削れないか…
- 逆に壁はいくつ作っても値段が変わらないので、部屋数を多くできないか…
コンパクトで機能的なおうちを目指しているのであれば、アリかもしれませんね。
▼パナソニック ホームズで建てたわが家の間取りはこちら
おうちでたった3分
- 見積額が妥当かわからない…
- ハウスメーカーからいい間取り提案が出てこない…
後悔のないおうちを建てるには、複数メーカーで比較検討することが大切です。
結論:一条工務店がオススメな人はこんな人
こんな方におすすめ
- 全館床暖房が最優先
- 夏の暑さより、冬の寒さが心配
- 屋根いっぱいにソーラーをのせたい
- メンテナンスをハウスメーカーに末長くお願いしたい
- i-smart、i-cubeなどのシンプルなデザインが気に入った
- 木造住宅でも、より高気密・高断熱のおうちに住みたい(Q値などの数値にこだわりたい方)
- ハウスメーカーや工務店の不明瞭な値引き合戦に疲れた
一条工務店は、工務店とは言いながら大手のハウスメーカーです。
しかも無借金経営と聞いていますので、大事なおうちをメンテナンスしてもらいながら住み続けるに当たっては健全な経営状態というのもうれしいところ。
特に、キッズデザイン関連はかなり力を入れているので、単純に提案されている間取りや設備が気になるという方もいるかもしれません。
気密性・断熱性に関しては、数値もしっかり公表している点は好感度が高いですよね。(パナソニックホームズはざっくりとした数値しか公表していません。)
ただ、うちの場合は上に挙げた点から、一条工務店は見送りました。建物価格やコストなど、希望に合うか考える参考にしてくださいね。
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